写真:東京タワー福島県沖の地震で、首都圏を中心に大規模停電が発生したが、東京都ではほぼ停電が起きなかった(写真はイメージです) Photo:Cellena/gettyimages

福島県沖で13日夜に発生した最大震度6強の地震では、首都圏を中心に大規模停電があった。東北地方での地震が、なぜ首都圏での大規模停電を引き起こしたのか。大規模停電の原因には、電力ならではのカラクリがあった。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

福島県沖の地震で
電力版“トリアージ”が発動

 13日午後11時8分ごろ、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生。この地震の影響で、首都圏などで最大約86万軒が停電した(東京電力パワーグリッド調べ)。停電戸数が多かったのは、栃木、神奈川、静岡の3県で、東京都ではほぼ停電が発生しなかった。

 首都圏で観測されたのは震度5弱から震度2。送電線が切れたり電柱が倒壊したりする送配電設備の大きな損傷はなかった。

 なぜ送配電設備の損傷がなかったのにもかかわらず、大規模停電は引き起こされたのか。実は、福島県沖の地震によって、電力版“トリアージ”の処置が行われ、東京都を除く首都圏などで大規模停電が発生したのだ。