全員が同じ部門の「ワンプール制」を
採用している二つの理由

 ベイカレントは、コンサルティングファームとしては珍しく「ワンプール制」を採用していることで知られている。ワンプール制とは、アナリストからパートナーまで全てのコンサルタントが同じ部門に所属する制度だ。

 多くのコンサルティングファームでは、自動車や金融といった産業、ITやマーケティングなどのサービスや職種によって部門が分かれており、それぞれが属する部門でキャリアを形成していくことが一般的となっている。それに対してベイカレントでは業界などで部門が分かれていないため、所属部門にとらわれず、さまざまなプロジェクトへの参加が可能だという。

 では、なぜ同社ではワンプール制を採用しているのだろうか。関口氏は、大きく二つの理由があるという。

ベイカレントベイカレント本社のある虎ノ門ヒルズ森タワー 写真提供:ベイカレント・コンサルティング

 まず一つ目が、コンサルタントの「専門性を高める」という理由だ。専門性を高めるなら、産業や職種で部門を分けてそこでキャリアを積んだ方がよいように思うが、なぜあえてワンプール制なのだろうか。

「日本人が海外に出ると、より日本のことが理解できるように、さまざまな産業を知ることで業界ごとの違い、特性をより理解できるようになる。またITやマーケティングなどの知識を幅広く得ることで、客観的な視点が持てるようになる。そうしたことで、何か一つの専門性を極める際にも、これらの経験が役立つと考えている。専門性をより重視しているからこそ、この制度を採っているといっていい」

 もう一つが、クライアントの新たな課題解決に役立ちやすいという理由だ。近年、業界を越えた企業間の提携などが増加するなど、従来の枠にとどまらない事業展開をクライアント企業が求めるケースが少なくないという。そうした中で、ワンプール制でさまざまな業界を経験したコンサルタントであれば、他の業界からヒントを得て提案することもでき、また他の業界を担当するコンサルタントとも連携しやすいという。