OpenWorkが毎年発表している『社員が選ぶ「働きがいのある企業ランキング」』において、2021年のトップに選ばれたのが、P&Gジャパン合同会社だ。「若手でも裁量権が大きい」という社員の声も多い同社では、どのように働きがいを醸成しているのか。(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)
「多様性の受容と活用」が
働きがいある組織作りのベースに
「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I:多様性を受け入れ、生かすこと)は、P&Gにとって最も重要な考え方の一つであり、これをベースに日々の取り組みを行っている」
こう語るのは、P&Gジャパンのヒューマンリソーシス 採用・人材育成担当ディレクターのポーリン・デロスサントス氏だ。同社ではこの考え方に基づいて、多様な社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織作りを長年にわたって行ってきた。新入社員は入社すると、このD&Iに関する研修をしっかり受けるが、研修はリーダー層になっても継続されるという。
また、昨年から新型コロナウイルスの感染拡大で多くの企業に広まった在宅勤務も、同社では多様な人材の働き方を支えるべく、およそ20年前から導入。その長年の経験をもとに、コロナ禍では「リモート時でも成果と一体感を醸成する方法」として社外にも情報発信をしてきた。
こうした一人ひとりにあった働き方が選べる柔軟な制度を含め、働きがいのある企業として同社が評価される理由はいくつも考えられるが、今回は3つのポイントに絞って紹介していこう。
(1)OJTを通じて専門性を磨く「新入社員教育」
(2)若手社員にも与えられる「広い裁量権」
(3)「柔軟な働き方」が選べる多様な制度