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スタートアップ業界の重鎮マイケル・アーリントン インタビュー「日本のスタートアップよ。革命を起こしに私のところに来ないか?」

岡本彰彦 [Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]
【第2回】 2012年10月18日
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岡本 創造性――それはこのカンファレンスの名称にある「Disrupt(破壊)」とはまったく逆の言葉だ。ツイッターやSquareの創設者のひとりであるジャック・ドーシーも、今回の基調講演で、「カンファレンスの名称を変える必要がある」と語った。テクノロジーにおける可能性のある変化について語るときに使われるこの「Disrupt」という言葉の代わりに、より価値があり、目的をもった、「Revolution(革命)」という言葉を使おう、我々に必要なのは、方向性と目的だ、と。私もそう思う。

 「Revolution(革命)」という言葉には、民衆の賛同、すなわち民意が暗示的に含まれている。

 ただ「破壊」するだけでは新しい価値は生まれない。新しい価値は民意を得てはじめて追認されると考えている。

アーリントン 別の言葉では「Creative Destruction(創造的破壊)」とも言える。ソニーのウォークマンを思い出せば分かるが、ウォークマンという新しい商品が何なのか分かるまでは、誰も自分がそれを欲しがると思っていなかっただろう? それはつまり、消費者に何が欲しいのか聞くのではなく、彼らが欲しがるものを見せろ、ということだ。新しい市場をつくればいい。「破壊」も「革命」も「創造的破壊」も、すべて、今ある事業を根こそぎ壊し、全く新しいものをつくりあげるということに他ならない。ウォークマンやiPadのようにね。

岡本 かつてのソニーも素晴らしい物をつくっていた。今はソニーも、それからシャープも厳しい状況にあると言われている。ハードウェアの革新はほとんど、アップルに持って行かれている。日本の大企業はもう一度生まれ変わる必要がある。

アーリントン 今のソニーとシャープには、明確なビジョンをもった商品と、創設者タイプの人間が必要なのだと思う。ソニーもそうだと思うが、部品をライバル会社と同じ中国の工場から手に入れているなら、一体どう差別化するのか?

 そんなことをしていては、ライバルには勝てない。アップルもまた同様だ。iPhone 5はなかなかいいが、アップルも数年のうちに下降傾向になるだろう。

岡本 私もそう思う。コストカットだけの道は選ばず、クリエイティビティで勝負していかないと、我々も含めて日本企業の将来はないと思う。

アーリントン 人々はそうなることを期待している。というのは、アメリカのほとんどの人がiPhoneを買う余裕があるからだ。それに、学生たちはみんなMacBookをもっている。それはつまり、ただ人々が欲しがるブランドになればいい、ということだ。どうすればそうなれるのかわからないが、それができれば富を手に入れることができる。ソニーはまたそこに到達できるはずだ。できない理由も思いつかないからね。

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岡本彰彦
[Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]

株式会社リクルートの投資会社であるリクルートストラテジックパートナーズの代表取締役として、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを活用し、日本のみならず、北米、東南アジアをはじめとしたグローバルな投資·事業開発活動を推進する。現職就任以前は、銀行、ベンチャーキャピタル、証券会社などでストラクチャード·ファイナンスや新事業開発に従事した後、2007年にリクルートに入社し、主に同社住宅カンパニーにおける事業開発の責任者とブランドマネジャーを担当。

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