コロナ禍の中、2020年のIT・ソフトウエア業界のM&Aは活発に推移した。デジタル技術によって業務やビジネスを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)が底流にあり、コロナ禍を打ち消した格好だ。(M&A Online編集部)

 2020年のIT・ソフトウエア業界のM&A件数は152件で、過去10年間では2018年、2019年に続いて3年連続で最多を更新したほか、2020年の全M&A(849件)の17.9%を占め、M&A最多業種となった。

 取引金額は半数近くが非公表で、金額公表案件のうち10億円未満が70%強を占めるなど、小型の案件が多かった。その一方で、全M&Aの6位に食い込む大型案件もあるなど、2020年は大から小までバラエティーに富んだ1年となった。

 外国企業が売買にかかわるクロスボーダーは15件(クロスボーダー率は9.9%)で、前年(22件)の7割ほどに減少し、全クロスボーダー(147件)に占める割合は1割ほどにとどまった。

 コロナ禍で海外のM&A市場が冷え込んだことから、クロスボーダー案件が前年(196件)より大幅に減少したのが主要因だが、クロスボーダー率が平均値(17.3%)よりも低いことから、IT・ソフトウエア業界がグローバル展開よりも国内での事業基盤強化を優先している状況がうかがわれた。