これからはアジアの時代で、インド市場は成長著しいと目されていますが、いまのところはまだヒンディー語を自在に駆使できる人は少ないですよね。そういうところを狙って、集中的に自分の能力の増強を図るわけです。

 ようするに能力の「集中と分散」。ビジネスに必要な能力を慎重に見極めて、達人・強豪の多い分野では戦わず、ライバルの少ない分野で一人勝ちをおさめる。それがナンバーワンへの近道なのです。

「ワンパターン」は自己の成長を止める

兵を形(かたち)するの極(きょく)は、無形に至る。
最初は形から入るが、いつまでも形を追っているようでは進歩がない。形を身につけたら見せないで、自由自在を心がけなさい。

 一つの仕事に習熟すると、型のようなものができて、新しいことに挑戦したり、いままでのやり方を変えていったりすることができにくくなります。パターン化してしまうんです。

 それは悪いとばかりは言えませんが、自分自身の成長がストップしてしまいますし、ライバルから見ればこちらの手の内がミエミエですから、つけ入る隙を与えて足元をすくわれてしまう恐れもあります。

 組織も同じ。いったんでき上がると組織図ばかりにこだわって、機動力が低下してしまうようなケースがよく見られます。

 代表的なもので言うと、朝礼や会議など。形式的なことばかりを重視していると、やがて内容のないものになり、やる意味がなくなってしまいます。

 武道や日本舞踊などの伝統的なものは形から入ります。型をいく通りも、何回も何回も反復練習して習得します。そして身についたと思ったら、今度はいかに型から離れるかが求められるようになる。

 つまり臨機応変に、型のバリエーションが繰り出せるかが勝負となります。自分自身と型が一体化して自由自在になり、即座に多様な技となって表現されます。

 この「無形」の精神と技こそが到達点なのだということを忘れずに、人生を送ることが大切です。

 これこそが自分を達人・名人にするコツですから、若いときからこれを目指して欲しいのです。