コロナ禍が続く中、花粉症のシーズンに突入した。ここにきて、本来、継続した治療が必要な喘息患者が感染を恐れるなどの理由で、受診を控えてしまうという問題が発生している。喘息患者の「受診控え」はなぜ問題なのか。(医療ジャーナリスト 木原洋美)
喘息患者の5割は花粉症を合併
花粉飛散期に悪化
2月5日、日本呼吸器学会とアストラゼネカによってオンライン・メディアセミナー「『喘息患者の受診控え』に緊急提言~コロナ禍が続く中で迎える花粉飛散シーズン、どう喘息悪化を防止するか~」が開催された。
日本列島はすでに各地で花粉シーズンがはじまっている。(日本気象協会)予測によると、今年の花粉飛散量は、例年よりは少ない見込みながら前シーズン比で見ると、九州から関東にかけて多く、四国や東海、北陸、関東の所々で非常に多くなるらしい。
花粉症患者にとっては、ただでさえつらい季節の到来だが、今シーズンはさらにコロナ禍が追い打ちをかける。というのも新型コロナ感染症と重症の花粉症は症状が似ており、見分けがつきにくいとされているからだ。
その上ここに来て、新たにクローズアップされているのが、スギ花粉症と喘(ぜん)息を合併している患者の「受診控え問題」だ。