コロナで突然変わってしまった世界は、幼い子をもつ親にとっていっそう大変な状況をうみだしました。かつてなく長い時間、親子が家庭の中に閉じ込められる事態となったのです。しかし逆に難しい時期だからこそ、しっかり子どもを学ばせたい、心豊かに遊ばせたい、家族の絆を強めたいと前向きに考える親が多いことも明らかになりました。自身がモンテッソーリ教育で育ち、わが子を自宅で教育する人気子育てコーチである著者がコロナでロックダウンしたロンドンで緊急出版した『モンテッソーリ式 おうち子育て』(エロイーズ・リックマン著、山内めぐみ訳、ダイヤモンド社刊)は、そんなパパ・ママの支えとなり、イギリスでベストセラーになりました。モンテッソーリ、シュタイナー、非暴力コミュニケーション(NVC)など、世界が注目される子育てメソッドを取り込み、おうちでの子育てをストレスフリーに過ごすための方法を、同書から抜粋します。学びを遊びの中に埋め込み、そして楽しい遊びから学んでいける豊富な有能アイデアを紹介します。

モンテッソーリ式おうち子育て
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突然、自宅学習せざるを得なくなったとしたら?

 病気のためであれ、家族の問題のためであれ、予想外のトラブルのせいであれ、もしも子どもが急に学校に行かなくなってしまったら、経験できたはずのさまざまな機会を逃してしまうと、親は心配しますよね。

 私が知っているとあるママは、3人のお子さんが通う学校がコロナウイルスのために休校となってしまいました。そのママは、自分が勉強を教えなければならなくなり、とても不安だと話してくれました。

子どもたちがたくさんの宿題をちゃんとこなしているかチェックしていますが、これからも続けていけるかどうか自信がありません。あの子たちが奪われてしまったものの大きさを思うと、胸が張り裂けそうです。友だちと遊べなくなって悲しんでいますし、この生活にもうあきあきしてしまっているようにも見えます」

 もしも、やむを得ず自宅学習をしなければならなくなったとき、あなたも同じように思うのではないでしょうか―特に、これまで一度も自宅学習なんて考えたこともなかったら。

 急に自宅学習をする立場になっても、そんなに悲観する必要はありません。

 自宅学習で子どもを育て子育てコーチとして、これまでに、多くのパパやママから前向きな意見を聞いてきました。子どもと過ごす時間が増えたり、子ども時代にちょっとしたプラスアルファをあげられたりするのです。宿題や制服から解放できたり、自宅学習を長い目で見てどう進めていくべきか検討できる機会となったり、といったメリットもあるのです。

 おうちでの子育ても自宅学習も、手にあまる大仕事のように感じてしまうのはよくわかります。一度しかない子ども時代です。親としてはなんとかして満ち足りたものにしてあげたいですよね。

 でも、子どもにとって最高の親は、パパ、ママであるあなただけです。子どもの学びを支えられるのも、あなただけ。あなたほど、わが子を知り、愛している人はどこにもいません。親と子は、いわばチームと考えましょう。