レジリエンスを育てる7つのアイデア
レジリエンスを育てるアイデアを、ご紹介しましょう。
1 レッテルを貼ってはいけません
賢い、やんちゃ、器用、繊細、なまけ者、だらしない、怒りっぽいなど、子どもを決めつけると、いつしか子どもはそれを信じてしまうことがあります。たとえよい意味で言った言葉でさえも子どもの個性をしばる可能性があるので、こういった決めつけは成長の妨げになりうるのです。ですから、親の私たちは、ほめるなら「天才芸術家だね」ではなく、「この絵、一生懸命描いたのが伝わってくるよ」くらいにしておいたほうがよいでしょう。
2 見方を変える手助けをしましょう
できないことではなく、できることに目を向けられるように子どもを導きましょう。また、ある状況に対しても、マイナス面ばかり見ないで、視点を変えるよううながします。たとえば、雨が降ると子どもはがっかりするかもしれませんが、ペットボトルで雨を集めたり、レインコートを着てかたつむりを見に行ったりといった楽しみ方もできますよね。
3 大変な状況を利用してみましょう
子どもがつらい状況に置かれているときは、現実を無視して、「大丈夫だよ」などと言ってはいけません。ちょっとだけ違う見方ができるように導き、どうしたら問題を解決できるか、どんな助けがほしいかを訊いてみましょう。
4 とはいえ、問題は自分で解決させましょう
まだ小さい子にも、困難を自分で解決させる場を与えてもいいでしょう。たとえば、遊び場でほかの子どもとけんかになったとき、口は出さないままそばで見守ってみる、きょうだいでいざこざが起きたら、同じ部屋に入れて自分たちで話し合わせる、といった具合です。親はつい間に入ってさっさと事を収めがちですが(その気持ちもよくわかります)、問題を自力で解決したり、ときには間違えたり、といった経験は、レジリエンスを育てる大切な機会になります。
5 失望や試練、失敗、ストレスも必要だと考えましょう
つらい経験も、レジリエンスを育てて、将来社会で生きていくためには必要です。親でもすべての苦しみや痛みからは子どもを守りきれません。でも、子どもの気持ちや失敗を見守ることはできます。本当は、子どもが動揺する姿は見たくないですよね。わが子が悲しんでいたら、自分のことのように胸が痛むのが親というもの。ですが、子どもにとっていやな体験を防ごうとするのは、子どものためになるとはいえません。それどころか、親の不安や恐れが増すだけです。悲しみを感じる経験を遠ざけているうちに、悲しみ(失望や怒りもそうですが)とは悪いものだと無意識に教え込んでしまうかもしれません。
6 自分で対処できる力に、自信を持たせましょう
子どもが試練を乗り越えたら、それだけの力を持っていることに自信を持たせてあげましょう。前向きに伝えるのが大切です。「すごく不安だったよね。でも、ちゃんとできたんだよ」「おばあちゃんが亡くなって、つらかったよね。パパもママも、今でも悲しいよ。でも、おばあちゃんのことを思い出すと、楽しかったなあって懐かしい気持ちにもなれるよね?」
7 リスクと子どもの自立のバランスをとりましょう
現代の子どもは、小さなリスクからも遠ざけられ、十分な自立の場を与えられていません。公園でも、手を泥だらけにして遊んだり、「高すぎる」ジャングルジムにのぼったりして怒られている子をよく目にします。年齢や能力によってあえて子どもにリスクを与える場もありますが―決して、小さな子でも1人で横断歩道を渡らせなさいとか、13歳の子に1人でバックパックで旅行をさせなさいとか言っているわけではありませんよ―危険を伴う遊びにもメリットはあります。自分で危険の度合いを見積もる力は、将来的に必要となるでしょう。
レジリエンスは一晩で身につくものではありません。ですから子どもがつらい状況にいるときは、親はいつでも愛情と共感を持って接しましょう。それが、人生でどんなことが起きても子どもが自分で乗り切れるように育つための、最初の大切なステップだと考えてください。