コロナで突然変わってしまった世界は、幼い子をもつ親にとっていっそう大変な状況をうみだしました。かつてなく長い時間、親子が家庭の中に閉じ込められる事態となったのです。しかし逆に難しい時期だからこそ、しっかり子どもを学ばせたい、心豊かに遊ばせたい、家族の絆を強めたいと前向きに考える親が多いことも明らかになりました。自身がモンテッソーリ教育で育ち、わが子を自宅で教育する人気子育てコーチである著者がコロナでロックダウンしたロンドンで緊急出版した『モンテッソーリ式 おうち子育て』(エロイーズ・リックマン著、山内めぐみ訳、ダイヤモンド社刊)は、そんなパパ・ママの支えとなり、イギリスでベストセラーになりました。モンテッソーリ、シュタイナー、非暴力コミュニケーション(NVC)など、世界が注目される子育てメソッドを取り込み、おうちでの子育てをストレスフリーに過ごすための方法を、同書から抜粋します。学びを遊びの中に埋め込み、そして楽しい遊びから学んでいける豊富な有能アイデアを紹介します。

モンテッソーリ式おうち子育て
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予測のつかない変化の激しい時代に必要な能力

 親子の関係が前向きだと、レジリエンスと呼ばれる、ものごとに立ち向かう力が育ちます。レジリエンスに一般的な定義はないのですが、困難やストレスに対してうまく対処する力、という意味で使われることが多いようです。自信や自主性、相手の感情を理解する能力、社会性と結びついています。

 精神的な問題を抱える若者が増えていると言われます(イギリスでは、5歳から16歳までの子どもの少なくとも10人に1人が精神障害を持つとされ、10歳以下では8000人がうつ病の診断を受けています)。レジリエンスは、先行きの見えないこの時代に生きる子どもにとって、とても大切です。

 子どものうちに、日々何かに挑戦するのは、ストレスが原因で引き起こされる神経不安やうつなどを防ぐ効果があると、数々の研究から明らかになっています。親としては、子どもには問題に立ち向かってほしいし、ストレスや変化にも対応していってほしいですよね。そのためには、子どもの欲求に応え、愛情を持って支えるだけでなく、自立につながる貴重な経験となる機会を見定める必要があります。