採用でも大切なカルチャーフィット
採用の場面では、すでに組織文化が大切な役割を果たすようになってきています。
「カルチャーフィット(組織文化への適合)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは採用に関する用語で、それぞれの企業にある組織文化になじめるか否かによって、入社したあとに定着するかどうか、実力を発揮できるかどうかが決まるというものです。
どんなに能力やスキルが高い人でも、企業の組織文化と合わずに実力を発揮できないケースは少なくありません。逆に同じ能力やスキルを持った人でも、カルチャーフィットすれば実力以上の成果を出すことができます。
組織文化に合うかどうかが採用後のパフォーマンスや人材定着に大きな影響を与えるという事実は、採用現場では当たり前の考え方となりつつあります。
ここでも、企業が自分たちの組織文化を知らなければ、本当の意味でカルチャーフィットする人材を採用することはできません。自分たちの組織文化を言葉にできない企業は、ゆくゆくは採用でも優秀な人材を採れなくなっていくはずです。
組織文化は、企業を取り囲むあらゆるステークホルダーをひきつけるカギにもなります。
組織で働く人。
組織の製品やサービスの顧客。
組織とともに栄えようとする取引先。
組織に投資する株主。
変化の激しい時代を生き抜く企業にとって、組織文化は唯一無二の競争力の源泉になっていきます。
ヒト、モノ、カネといった目に見える資源だけで競争する時代は終わりつつあります。
これからは組織が掲げるビジョンやミッション、バリュー、組織の中に漂う空気や人間関係、組織で働く人々が何となく共有する価値観や言葉、行動など、目には見えない組織文化も企業の強みを規定する大切な要因になっていきます。
優れた企業は組織文化で他社との違いを打ち出し、従業員や顧客、取引先、株主などのステークホルダーを魅了していくようになるでしょう。
本書『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』の読者のみなさんと、組織文化についてともに学び、成長するコミュニティ「ウィニングカルチャーラボ」を運営中です。興味を持ったらぜひコミュニティにも参加してください。