精製穀物を食べるなら白米vs 白パン
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 昨今、悪者扱いの精製穀物だが、白米はちょっと違うらしい。

 先月、国際疫学研究「PURE試験」から、全粒/精製穀物の摂取量と脳・心血管疾患、全死亡、血圧値の変動との関連を追跡調査した結果が報告された。

 対象は南北アメリカ、欧州、中東地域、東南アジア、中国など21カ国の、都市と農村の住民14万8858人(登録時年齢35~70歳、平均50歳)で、2003年1月から登録を開始。

 登録から3年ごとに学歴や所得などの社会経済状態、生活習慣、糖尿病や高血圧などの病歴のデータを収集。また、協力施設で身体測定や血液検査と食事内容に関する面接調査を行っている。今回は19年7月までの登録者を解析した。

 穀物については、登録者の6割以上が米を主食とする国・地域の住民であるため、(1)精製穀物(小麦粉、白パン、パスタ、ベーカリー製品など)、(2)全粒穀物(全粒粉とその製品)、(3)白米とした。

 追跡期間中に参加者の10.3%が脳・心血管疾患を発症、死亡に至るケースもあった。死亡9279人のうち、3583人が心筋梗塞や脳卒中などで死亡している。

 穀物との関連をみると、精製穀物の摂取量が最も多い群(1日350グラム以上)は、最も少ない群(1日50グラム未満)と比較し、全死亡リスクが1.27倍、心血管疾患死が1.31倍に、脳卒中リスクも1.47倍に上昇した。

 興味深いことに、白米は高摂取量(1日450グラム以上)でも脳・心血管疾患発症/死亡リスクとの関連が見いだせなかった。研究者らは「精製された米は、消化吸収が早い白い小麦粉製品より血糖値の上昇が緩やかで血管への負担が小さく、栄養学的にも優れているかもしれない」としている。

 実際的な話としてパン食のおかずは意外に限られるが、米食なら和洋中にエスニックと、何にでも合わせられる利点がある。量さえ間違えなければ、栄養バランスの良い食事になるわけだ。

 幸い日本では主食が選び放題である。せっかくだから、白い小麦粉製品を白米や玄米、米粉やそば粉に変更できる利点を生かそう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)