日本国内でも医療従事者向けにワクチン接種が始まった(撮影:3月5日、がん・感染症センター 都立駒込病院)
日本国内でも医療従事者向けにワクチン接種が始まった(撮影:3月5日、がん・感染症センター 都立駒込病院) Photo:Pool/gettyimages

日本国内でも医療従事者向けにワクチン接種が始まった。ただし、懸念した通り、早くもワクチンの供給不足が問題となっている。そんな中、本来、2回接種ワクチンを1回しか接種できなくても「なるべく大勢の人に接種しよう」という指摘もあり、議論されている。折しも、米国では1回の接種の済むワクチンも承認された。変異ウイルスへの対応も懸念される中、改めてワクチン問題に詳しい久住英二医師(ナビタスクリニック理事長・内科医)に要点を解説してもらった。(解説/ナビタスクリニック理事長、医師 久住英二、聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 山本猛嗣)

米国では
1回接種の新型コロナワクチンが承認

――米国で1回接種の新型コロナワクチンの使用許可が下りました。どんなワクチンなのでしょうか。

 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の1回接種ワクチンですね。先月末、米食品医薬品局(FDA)が緊急使用を承認しました。大きな特徴は、やはり世界で初めて、接種が1回で済むところと、保管や流通が標準的なワクチンと同じ方法でよいところです。

 J&Jによれば、接種の対象は18歳以上で、米国での臨床試験では有効率72%でした。

 製造後もマイナス20度なら2年間、出荷後も2~8度で管理すれば最大3カ月間、安定した状態を保てます。がん治療薬などの既存の低温流通システムを利用できますし、通常の冷蔵庫で長期保管できますから、自治体や医療機関などの接種機関でも在庫管理が容易です。

 J&Jは、3月末までに2000万回分以上供給できるよう米国内向けに出荷を始めており、今年上半期に1億回分を供給する計画としています。今年中に10億回分を生産する予定とも、昨年3月末に報じられました