被害者の中にも
加害者更生を求める人がいる

 これは筆者の感想となるが、(3)の点に関して、内澤さんが会見の中で「これを被害者が言い出すと不思議に思われることも多いのですが」と断っていたことが印象に残った。

 筆者は過去に、性犯罪加害者の更生プログラムの必要性について何度か記事を書いたことがあるが、「性犯罪者の更生など無理」「犯罪者に税金をかけて治療するのか」といった反応は実際に見られる。

 また、「被害者は厳罰だけを求めている」といった一面的な決めつけをする人もいて、被害者の中にも加害者更生を求める人がいることはあまり知られていない。

 確かに、「被害者支援より加害者更生が優先されるのはなぜか」という憤りを抱える被害当事者もいる。性犯罪やストーカー行為は、被害者の落ち度が責め立てられることがあり、「あなたの気にしすぎ」「相手にも事情があるのだから許してあげなさい」と免罪を求められてきた被害者からすれば、これ以上、世間から寛容を求められるのは耐えられないという気持ちにもなると思う。

 ただ一方で、繰り返しになるが、加害者更生や無害化の必要性を論じる被害当事者もいることは、もう少し知られてほしいと思う。たとえば、性虐待の被害当事者として初めて性犯罪刑法の改正検討会の委員となった山本潤さんは、検討委員に選ばれた際に「加害者治療の専門家も入る必要があったと思う」と語っていた。

 加害者の再犯防止を行うクリニックのプログラムに積極的に協力している、被害当事者もいる。

 被害者が加害者の更生を求める理由は「これ以上、被害者を出さないために」というシンプルなものだが、このシンプルな願いが、意外に理解されづらいことを感じている。

 実際のところ、性犯罪処遇プログラムを受けても再犯をする加害者はいるし、再犯させないための対策について課題は多い。けれども、執拗(しつよう)につきまとわれる恐怖を経験した被害者のことを考えれば、加害者の治療、更生、あるいは無害化は避けて通れない道だ。内澤さんの「いろいろ考えたのですが、これが一番安心」という言葉を重く受け止めたい。

 クラウドファンディング「『ストーカー規制法』の改正を実現します!」は、4月28日まで行われている。