「離れていても一緒に走る」
その仕組みとは

 今年のテルアビブマラソンのテーマは「離れていても一緒に走る」。

 仕組みはこうだ。参加者はスマホのアプリを事前にダウンロードしておく。そして、スマホをアームバンドで装着して走ることで、アプリとスマホのGPSが連動して走った距離に換算し、1キロメートルごとに走行距離を音声で知らせてくれるという。

 このアプリを使えば、家の周りでも、好きな時間にどこでもマラソンに「参加」することができる。極端な話、日本に居ながらにしてテルアビブマラソンを完走することもできてしまうのである。マラソンは現地にいないと参加ができないという概念を大きく打ち壊す画期的なアイディアだといえる。

「それでは参加した感が出ないのでは?」という声もあるが、複数地点にマラソン大会用のゲートが用意されていて、記念撮影ができるようになっている。こうすれば、距離はしっかりと走り、また走り切ったという実績も記録として残すことができる。また、(所要時間・所要距離が記載された)完走証明書(モバイル版は完走後にダウンロード可能)やメダル、記念Tシャツは、送料を参加者が負担することで世界中に届けられる仕組みになっている、という。

スマホを腕につけて走ることで、走行距離を計測できる
スマホを腕につけて走ることで、走行距離が計測できる Photo by Yuki Tokunaga

全天候型のマラソン大会
2月19日~28日の間ずっと開催

 テルアビブマラソンのもう一つの特色は、マラソン大会の実施日だ。

 なんと、今回の大会は2月19日~28日の間ずっと開催されたのだ。

 というのも、交通規制も特に必要ではないため、ゲートさえ設置しておけば数日間にわたって大会を開催することができるからだ。参加者の中には、19日が豪雨だったので、次の日の20日に走ることを決めた人もいるという。スポーツイベントでは避けられない「荒天リスク」を減らすこともできるのだ。

 大会に参加したテルアビブ在住の山崎さんは、実際に自宅から最寄りのゲートを目指す10kmのマラソンに挑戦した。「決まったコースがないので前から横から他の参加者とすれ違うのが不思議な感覚でしたが、感染の心配なく走れたのはよかったです。ただ、交通規制がないので安全に注意する必要があり、また、1人で走るためペースメーカーがいないので少し走りにくかったです」と参加した感想を述べた。

 今回のマラソン大会に使用されたのはイスラエル企業が開発した「Kapaim」というアプリだ。テルアビブマラソンに限らずさまざまなスポーツイベントで活用されており、その需要はコロナ禍においてますます増えていくと予想される。