2022年3月卒業予定(現在大学4年生など)の学生の就職活動が本格化している。言うまでもなく、就活は社会の入口であり、社会人として働き始めた後には長いキャリアが待っている。就職活動にはどう臨むべきか?前稿に続き、いま、就活生とその親(保護者)に求められる姿勢を、有識者の実践的なアドバイスとともにまとめていく。(ダイヤモンド・セレクト「息子・娘を入れたい会社2021」編集部)

*前稿 就活に親子で臨む心構えと「ワンランク上」の4つのテクニックを伝授 からお読みください。
*また、当記事と前稿の前段となる 新型コロナウイルス感染症拡大で激変する採用市場(1) 新型コロナウイルス感染症拡大で激変する採用市場(2) 22年卒の就活戦線大予測!採用人数は絞られスケジュールは前倒しに 新卒一括採用、世界でも珍しいルールが日本で定着した理由 コロナで就活はどう変わっていく?学生の志向、スケジュール… コロナ時代の就職活動は「企業の人事戦略」をスタート地点に考える コロナ就活の重要キーワードは「ジョブ型雇用」と「人生100年時代」 も合わせてお読みください。
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2021」の巻頭特集記事「コロナ禍で大激震!“就活戦線”のいま、これから」の一部を転載したものです(加筆修正あり)。有識者コメントも紙媒体(雑誌)掲載時のものです。

親(保護者)からの金銭的・物質的な支援がありがたい

 近年、子どもの就活にあたって親(保護者)が関わるケースが増えている。本誌「息子・娘を入れたい会社2021」のアンケート調査でも、子どもが希望する就職先を知っている親(保護者)が6割を超える(図表18参照)。こうした状況を受けて、企業側は「オヤカク(親確)」対策といって、親(保護者)の理解を得るためのアプローチを積極化している。しかし、繰り返しになるが、親(保護者)の関わり方には注意が必要だ。親世代のかつての就活体験はそもそも役に立たない。仕事についても、自分が知っている分野や職種などは限られる。時代の変化を十分に理解できていると断言できる人もそう多くないだろう。

「息子・娘を入れたい会社2021」から転載
*データは同誌アンケート調査より
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 それゆえに、自分の経験だけでなく、最近の経済社会の変化、就職市場の実態などについて情報収集しておきたい。

 また、就活中の子どもに対して、不用意な発言をしないことも前提となる。立教大学キャリアセンターの神山正之氏は、「無関心ではなく、過干渉もしないこと」を保護者にはアドバイスしているという。

「日本企業の中ではB to B企業が8割を占めており、親御さんが知らないような会社も多いでしょう。それゆえ、『そんな会社知らない!』とか、『大丈夫?』といった不用意な発言は意識的に控えるべき。いまの学生は真面目で、自己分析や業界研究、会社研究をしっかり行って進路選択しています。『どういう会社なのか?』『なぜ、そこを選んだのか?』と確認していただくのは大切ですが、前提として、お子さんたちの判断を信頼してあげてほしいのです」(神山氏)

 就活生を対象にした本誌「息子・娘を入れたい会社2021」のアンケート調査では、「就職活動で親からされて嫌だと思うこと」(図表19参照)の1位は「親の意見・価値観を押し付けられた」(62.3%)だった。また、僅差で「就職先選びで否定的なことを言われた」(62.0%)が続く。そのほか、「就職活動のやり方について否定的なことを言われた」(41.3%)、「ライフプラン・キャリアプランについて否定的なことを言われた」(35.0%)、「他の人(同級生)や兄弟・姉妹と比べられた」(30.2%)などが上位に並ぶ。

 自分なりに調べて決めた志望業界や職種について、悪気がないとしても、親(保護者)が自分勝手な観点でダメ出しすることは、親(保護者)が考える以上に子ども(就活生)のストレスにつながっている。特に、他の就活生と比較したり、行動を指図することはNGだ。

 一方、就活に対する親(保護者)からのサポートでありがたいこと(図表20参照)としては、「金銭的なサポート(交通費、食費、スーツ代など)」が72.5%で断トツの1位だ。続いて、「食事面、生活面でのサポート」(41.9%)、「社会人としてのアドバイス」(32.6%)が続く。

「金銭的なサポート」に関連して、就活にかかる費用について見ておこう。

 リクルートキャリアの就職みらい研究所の調査によると、一昨年(2019年7月1日時点)、学生が就活に使った金額は平均12万8890円だった。それが昨年(2020年7月1日時点)は平均8万8923円となり、約4万円も少なくなっている。特に交通費が2万4000円ほど減っており、これは面接等のオンライン化の影響と思われる。

 しかし一方で、コロナ禍で思うようにアルバイトができなかったりと、経済的に余裕がなく、困っている学生も多い。特に親元を離れて生活している学生にとっては、親(保護者)からの金銭的・物質的な支援は、とてもありがたいはずだ。

「息子・娘を入れたい会社2021」から転載
*データは同誌アンケート調査より
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