渋谷スクランブル交差点
緊急事態宣言解除前に人出が増えた渋谷スクランブル交差点 Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が3月21日をもって解除されたが、依然として感染者数の“下げ止まり”は続く。海外では国内の新規感染者“ほぼゼロ”を達成した国もあるが、果たして経済活動を完全に再開しているのだろうか。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰)

立憲民主党は「ゼロコロナ」を提言したが

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言は、東京都など首都圏の1都3県で3月21日をもって解除された。

 ただし都内の新規感染者数は24日も420人を記録。3月に入ってから最多となり「下げ止まり」が続く。感染力がより強いとされる変異株への警戒も強く、事態は予断を許さない。

 一方で台湾では2月以降、新規感染者が1日10人を超えることがなく、域内では「ほぼゼロ」を達成している。日本で「ゼロコロナ」を達成することは果たして可能なのか。また、そこに合理性はあるのだろうか。

 立憲民主党の枝野幸男代表は2月、「ウィズコロナからゼロコロナへ」を提唱した。まずはコロナの感染を徹底的に抑え込み、その後に経済活動を再開するというものだ。

 2月6日の読売新聞オンラインによると、与党は「そこまで待てば日本経済は死ぬ」と反論したが、「ゼロコロナ」に対しては感染症学者からも支持する声がある。

 現在の政府が前提としている「ウィズコロナ」とは、ウイルスは目に見えず、どこにいるかも分からないし、コロナ根絶を目指せばそのための経済損失は莫大だから、医療崩壊を起こさない程度に感染を抑えて、長くコロナと付き合っていくしかないという考え方だといえる。

 一方、ゼロコロナとは、コロナの感染者をいったんゼロにすれば、その後、経済を復活させることができるのだから、今は苦しくても将来の利益にかけた方がよいという考え方だ。つまり、感染者が十分に減りきらない状態で緊急事態宣言を何度も出すより、一度、徹底的に厳しい措置をして感染を抑え込み、感染者数をゼロまで抑えれば、その後は厳しい措置を取らなくてもよいのだから、むしろ経済的にも利益になるというわけだ。

 確かに、最初の緊急事態宣言(20年4月7日~5月25日)が発出された2020年4-6月期の実質GDPは、年率マイナス29.3%だった。

 その後、7-9月期には22.8%、10-12月期には11.7%と2期連続のプラスとなったが、今年1月8日に再び緊急事態宣言が発出され、21年1-3月期の実質GDPはマイナス5.8%になると予想されている(日本経済研究センターESPフォーキャスト調査、2021年3月16日)。

 2度の緊急事態宣言で2度、マイナス成長をするより、1回の徹底的な緊急事態宣言でコロナを撲滅すれば、マイナス成長は1回で済んだだろう、というのである。

 そして、その実例として台湾、ニュージーランドが挙げられている。これらの島国のように感染を徹底的に抑え込んで、海外からの入国者の隔離を徹底すれば、さらなる感染はないというのだ。