「ベンチプレス150キロ」にしても同じだ。

 ベンチプレスという種目には、じつは重量を上げるのに都合のいいやり方がある。そのラクなフォームで行なうとバーベルが上下する移動距離が短くなるのだ。「100キロ」「150キロ」といった数字に囚われている人は、当然、このラクなフォームで高重量のバーベルを上げようとすることが多い。もしベンチプレス大会で勝つことが目的ならば、このフォームで正解だ。

 しかし、筋肉を強化したり太くしたりするのが目的なら、このフォームは不正解となる。ラクなフォームで行なうと、それだけ目的の筋肉を鍛える効果が低くなってしまうのだ。

 アスリートやボディビルダーにもベンチプレスを行なう人が多いが、ジムなどで見ているとラクなフォームで行なっている人が少なくない。おそらく、トレーナーが重量を上げるのに都合のいい方法を教えているのだろう。

 ただ、私はいつもそういう人を見かけると、「そのラクなフォームであなたの目的の筋肉がちゃんと鍛えられているんですか?」と聞きたくなる。そして、「もしかしてキロ数を追いかけるあまり、トレーニングを始めたもともとの目的を見失っていませんか?」と聞きたくなるのだ。「1000回」「150キロ」があなたの目的なのですか、ということだ。