知識や経験は十分なのに、異動先部門との相性が合わないという問題が後を絶たない。相性不一致の問題はなぜ起こるのか。また、どうすれば解消できるのだろうか。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
異動後に判明する相性不一致の問題
4月の組織再編成、人事異動に直面している人もいるだろう。部門をまたがる異動の場合、必ず出てくる課題が、異動先部門とのマッチングの問題だ。昇格して異動する場合に、マッチングの不具合がさらに起きやすい。
人事決定者は、それを見越して新任者と異動先部門との知識や経験や相性が合致しているかを勘案して人選し、異動配置を決めている。しかし、マッチングのレベルが高まらないと感じている経営者は少なくない。
その原因は、知識や経験よりも、「相性の不一致」の問題であることが多い。この相性の不一致は、コロナ以前であれば、着任後の日々の業務内外における対話と交流によりある程度解消できていたのだが、今日では期待できず、問題が顕在化しやすい。