具体的には、以下の8項目が「日本の長寿の要因」として挙げられている。

(1)空気と水がきれい

 空が青く、水道水が飲める。都会だけでなく、田舎でも、いたるところが清潔である。

(2)毎日歩行するよう心掛けている

 日本人は車の保有率が高いが、普段は公共交通機関を利用することが多い。また、人によっては、目的の駅より一駅手前で降りて、歩く習慣を身につけている。そして、100人当たりの自転車保有率は日本が世界で上位を占めている。歩行と自転車が健康に役立っているのだ。

(3)何事も八分でいい

 何事も8割の力で、残りの2割は、余力として別のことのために残す。余力を蓄積することが大事だ(※筆者注:中国に出回っている多くの記事によると、日本のサイエンスライターで医師の賀志貢氏が提唱する「0.8ライフ学」の理念を実行したものという)。

(4)日常的に入浴の習慣がある

 日本人は、恐らく世界で一番お風呂が好きな民族であろう。温泉資源も豊富で、入浴には強いこだわりを持っている。入浴は、血行が良くなり、新陳代謝の効能がある。

(5)日本人は心が穏やかである

 日本人は、丁寧かつ礼儀正しく人と接している。街角で喧嘩(けんか)や殴り合う風景は見ない。怒らないことは、脈拍、呼吸、血圧、消化液の分泌が安定することにつながる。幼い時からマナーを教育することがいかに大事か実感する。

(6)企業が社員の健康を管理している

 2008年4月から、日本ではメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防・改善を目的とする「特定健康診断・特定保健指導」が始まり、企業が社員に細かなサポートを行っている。例えば、毎年の健康診断で、社員のウェストのサイズをチェックし、男性は85センチ、女性は90センチを超えてはいけない。