少しだけ行き過ぎの感がある。米労働省が2日発表した3月の雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月比91万6000人増加し、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想を約24万1000人上回った。2月の就業者数も併せて上方修正された。米国で新型コロナウイルス新規感染者数が減少し、ワクチン接種が進む中、景気回復が加速している様子が改めて示された。このWSJ市場予想調査はまた、景気回復が加速している中でも、賃金や物価に非常に強い上昇圧力がかかるとの懸念は行き過ぎであることも示唆している。3月は時給がわずかに低下したほか、小売りや宿泊・外食サービスなどの分野で雇用が依然としてコロナ前の水準を大きく下回っており、こうした見方を裏付けている。調査では、今年12月までに失業率が5%、消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.5%上昇、米10年債利回りは1.78%の水準に達すると予想されていた。