(2)無意識の「思い込み」や「偏見」に気づこう
メルカリ、社内研修資料を公開

https://careers.mercari.com/jp/diversity

 人々が、日常生活や所属するコミュニティの文化から身に付けた「偏見」や「思い込み」を「バイアス」と呼びます。

 このようなバイアスをもとに物事が判断されると、人々の機会の公正性を妨げるきっかけとなり、当然、採用や人事評価にも影響します。

 メルカリは、無意識のうちに形成されるこうしたバイアスを自覚し、適切に理解するための研修「無意識バイアスワークショップ」を社内で実施しており、今回、その研修資料を無償公開しました。

 メルカリが実施するワークショップでは、まず、無意識バイアスについての説明を行い、無意識バイアスの例や、無意識バイアスに関するセルフチェックなどを行います。これらを通じて受講者が無意識バイアスを理解し、その影響に自らが気付けることを目的としています。

 私たちの脳は、思考するためのエネルギーを最小限に抑えるために、物事をショートカットして見ようとする傾向があります。それ自体は決して悪いことではないのですが、ものづくりをする際には、そのことに気を付けなければいけません。

 無意識バイアスを通してユーザーを見てしまうと、ユーザーにとって望ましくないプロダクトを生み出してしまうというリスクをはらんでいます。また、無意識バイアスは、仕事上でチームメンバーの多様な意見を取り入れる際の障害になりかねません。

 無意識バイアスを完全に取り払うのは難しいですが、その存在を認め、意識していくことが、適切にものごとを見ることにつながっていくのではないでしょうか。

(3)考えるだけでキーボード入力可能!?
ARプロダクト「Cognixion One」が年内に登場

http://cognixion.one/

 カナダのスタートアップ企業、Cognixionは、脳波や視線でデバイスを操作する、BCI(ブレイン・マシン・インタフェース)搭載のAR(拡張現実)プロダクト「Cognixion One」を発表しました。

 Cognixion Oneは、ユーザーの考えや意思そのものを読み取るのではありません。視線などの方向を脳の活動から判断し、ヘッドアップディスプレー内に映るキーボードから文字を入力したり、メニュー画面から機能を選択したりして、対象デバイスを操作します。

 Cognixion Oneは、脳性まひや筋萎縮性側索硬化症(ALS)により、コミュニケーションに課題を抱えている方を意識して開発されました。このプロダクトを利用することで、そうした課題を抱えている方の家族や友人も一緒に、これまで難しかった言語によるコミュニケーションがよりスムーズに行えることが期待されます。

 こうしたプロダクトやテクノロジーの普及は、体に課題を抱えている方だけではなく、手や口を動かすことができない環境下、たとえば、医療現場や運転中のような手が離せないシチュエーションでも、新しいコミュニケーションが生まれるきっかけとなりそうです。

(4)日本の「観光体験」を支えるためのピクトグラム
「EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS」

https://experience-japan.info/

 日本デザインセンターが、Webサイト上で日本の「観光体験」を支えるためのピクトグラム集「EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS」を公開しました。

 ピクトグラムとは、情報を伝えるための視覚記号(絵文字)です。非常口やトイレの位置を示すものなど、今では当たり前のように使用されるピクトグラムですが、競技用に特化した「競技ピクトグラム」が初めて導入されたのは、1964年の東京五輪でした。

 デザイン評論家の勝見勝氏が、田中一光氏や横尾忠則氏といった今では著名となったグラフィックデザイナーたちを起用し、東京オリンピックのピクトグラムを考案しました。ちなみに、東京オリンピックのロゴやポスターデザインを亀倉雄策氏が手掛けるなど、のちに日本デザインセンターの設立を担う中核メンバーらが、大会を彩るグラフィックデザイン全般を制作しています。

 今回、東京に再びオリンピックが訪れるタイミングで、日本デザインセンターが、観光産業に適したピクトグラムを無償提供したことは、日本のグラフィックデザイン文化の成長を世界に示す、というメッセージが含まれているように思えます。

 実際、「EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS」は「二度目の日本」をテーマに、日本の観光資源をさらに一歩深く掘り下げた、独自性あるピクトグラムのラインアップになっています。例えば「和菓子」「そうめん」「居酒屋」など、日本文化を表現したものから、「厳島神社」「松島」などの観光地まで、豊富に用意されています。利用規約の範囲内であれば、個人・法人、商用・非商用を問わず、誰でも無料で利用可能とのことです。

(5)「クロネコマーク」がちょこっと新しく
ヤマト運輸がロゴマークのデザインを変更

https://www.yamato-hd.co.jp/pr/logo2021/

 宅配便大手のヤマト運輸などを傘下に持つヤマトホールディングスが、4月1日から新しいロゴマークの使用を開始。

 企業のロゴは、その企業や理念などを象徴するために使用されることが多いです。これまでのロゴをアップデートしたということは、64年間続いてきたヤマトグループの新たな意思を表明していると捉えることができるのではないでしょうか。

 今までの想いも変わらず持ち続けるという意味で、猫のモチーフ自体は維持する一方で、猫を表す線が少なくなり、よりシンプルなデザインになっています。「クロネコのマークは、目や耳など、細部のかたちまで、あらゆる可能性を検証しました。背景には、クロネコを囲うだけでなく、やわらかく広がりのある楕円を採用しています。これまでのマークを引き継ぎながら、これからもずっと前進し続けるヤマトグループの、新しいシンボルマークです」と説明しています。

 長く使用してきた歴史のあるマークを引き継ぎつつ、新たな企業姿勢を反映した、デザインの良い例ではないでしょうか。

(6)集英社がマンガの原画をアートとして販売!
「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」を開始

https://mangaart.jp/

 3月1日、マンガの原画を、「マンガアート」(マンガ×アートの造語)として世界に向けて販売する、「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」を集英社が開始しました。

 同社は「マンガ作家の画業に新たな光を当て、その作品に『美術品』としての永続的な価値を与える新しい取り組み」と説明。

 同社は2008年からマンガ作品の原画を高精度デジタルスキャンし、保存する取り組みを行ってきました。このデジタルアーカイブを活かし、耐光性のあるインクを用い、保存性の高いコットン100%の用紙にプリント。また、作品の品質を担保するため、各プリント作品のエディションを5~20枚に限定するなど、作品の希少性や、作家と版元の真正性を保証するとしています。

 マンガの制作において、中間制作物であるマンガの原画をアート作品として成立させるためには、質感や色合いといった原画ならではの魅力を最大限に引き出す必要があります。そのために、今回のプロジェクトのために新たな紙や印刷技術を考案。こうした独自の技術や技法も「マンガアート」の価値の一つと言えるでしょう。