「その気」の法則とは、
感情と思考を上手くコントロールすること

「アイツはその気になれば、何でもできるなあ」

「部下をその気にさせて、大プロジェクトを成功させるぞ」

 私が知っている若くして成功している人たちに共通しているのが、人の感情や思考をプラス方向へ導き、上手く「その気」を利用しているということです。無意識にやっている人も多いですし、学んで身につけている人も大勢います。

 カリスマ経営者と呼ばれる人たちは、自分も相手もワクワクさせ、知らずしらずのうちに「その気」にさせるのが上手です。夢を語るカリスマ経営者は、自分の言葉で、自分も相手もいつの間にか陶酔させてしまいます。

 自分でも他人でも「その気」にさせるには、感情をコントロールしなければなりません。人は、喜びや悲しみ、怒りなど、さまざまな感情を抱いています。

 ここで大事なのが、「感情は思考よりも強い」ということです。

 「感情的になるな」「感情を抑えろ」というように、感情は理屈抜きでその人を動かしてしまいます。つまり、思考は感情に引きずられます。

 スポーツの世界を見てもらえばわかりやすいでしょう。いくら実力があっても、精神面が脆い選手は本番ではなかなかいい結果を出せないことが多いものです。感情の影響を受けやすいので、大舞台に立っても「彼は本番に弱いね」とか「練習では上手くいったのに」といったことが起こります。

 自分の思考だけではありません。相手との関係性も「感情」がいちばん強く働きます。「ウマが合う」「ソリが合わない」という言葉があることからもわかるように、頭では「この人は優秀だ、仕事ができる」と思っていても、感情で自分の行動が左右されてしまうことが多いのです。

どんなに優秀でもキライな上司、キライな部下

 たとえば苦手な上司がいたとします。そんなとき、仕事だと割り切って相手を受け入れよう、歩み寄ろうと、いくら頭で思っても上手くいきません。それは、相手が苦手だという感情が邪魔をしているからです。

 上司から注意されたひとことでも、感情がプラスになっていれば「そんなところまで見ていてくれたなんて、ありがたい」と思うものですが、上司にマイナス感情があれば一言一句変わらない同じひとことでも、「こんなところまでチェックしているなんて、本当に細かいイヤな上司だ!」と不平不満が出てきます。

 そして脳がマイナス思考になってしまうと、プラス思考のときとは逆に、今度はストレスホルモンをどんどん出してしまい、実力が出せなかったり、身体の不調にもつながるのです。

 ですから、それならば、自分の感情をプラスにしたり、苦手だなと思っている相手に対してマイナスの感情をなくせばいいのです。それには、先ほども言ったように、思考がマイナスでも、感情がプラスになれば引きずられて思考もプラスになります。いかに感情をプラスにコントロールするか。これが私共がやっているメンタルトレーニングの基本なのです。

(次回の更新は10月29日を予定しています。)


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