高齢でもシングルマザーでもない生活保護

 以上述べた数字の確認をするために、生活保護世帯、高齢者世帯を除いた生活保護世帯、高齢者世帯とその他の世帯を除いた生活保護世帯、失業者数を示したのが下の図3である。

 生活保護世帯から高齢者世帯とその他の世帯を除くと、リーマンショック後の上昇シフトが消え、かつ、失業者数と生活保護世帯が同じように動いていることが分かる。

 19年には、失業者160万人で生活保護50万世帯という1980年代初と同じような状況に戻った。むしろ、90年代に失業者が急増したのに、生活保護世帯数が増えなかったのはなぜかという謎がより強調されるように見える。

 景気を良くすれば生活保護世帯数は減る。しかし、高齢者世帯とその他世帯の増加には別の対応が要る。また、90年代に生活保護世帯数が増えなかった理由も知りたい。