看護師や介護職の中には、患者さんがかつて、バリバリ働いて世の中を支えてきた人なのだと頭ではわかっていても、目の前の寝たきりの姿を見て、ついそれを忘れ、敬意を示さない態度になってしまったりする人がときにはいるものです。

 そんな人でも、患者さんの元気だった頃の写真を見ると、ハッと我に返るというか、

「大事に接しなければ……」

 と思いを新たにすることがあります。

 言ってみれば、自分のこれまで生きてきた歴史が、自分に大事に接してもらうための“お守り”になるのです。