中高生のうつ写真はイメージです Photo:PIXTA

今年2月、国立成育医療研究センターは「高校生の約3割に中等度以上のうつ症状が見られる」という調査結果を発表し、世間に衝撃を与えた。中等度以上のうつとは、睡眠障害や食欲不振を顕著な特徴として持ち、通院が必要とされるレベル。児童相談所の児童心理司を20年近く務めた経験を持つ心理学者の山脇由貴子氏に、思春期のうつに特有の症状や、うつが疑われる子どもとの向き合い方について解説してもらった。(清談社 山田剛志)

思春期のうつに見られる
三つの特徴

 コロナ禍によって子どもたちの学校生活は大きな変化を強いられている。校内ではマスク着用が義務になり、部活動は制限され、運動会や修学旅行などの行事も多くが中止を余儀なくされている。

 国立成育医療研究センターの調査によると、高校生のみならず、中学生の24%、小学校4~6年生の15%にも中等度以上のうつ症状が見られるとされ、生活様式の急激な変化が子どもたちの心に与えているストレスは計り知れない。