ツメタイ言い方ですが、ダイジでないならどうでもいいのです。

 全体の1%の部分で電力効率が2倍であろうが3倍であろうが、いや、たとえ10倍であろうがコスト全体にとってほとんどインパクトはありません。

「うちの部品調達コストは他社より1割安い」としましょう。「差」はたった1割です。

 でも、そのビジネスの全コストのうち、部品代の占める「重み」はどうでしょう。もし60%あるとしたら、それはとってもダイジです。

「差」が1割でも、結果的に、敵に6%(60%の1割だから)のコスト差をつけられるのですから。もし2割なら12%です。これが、インパクト。

 それなら部品代を、徹底的に調べ議論する価値は十二分にあるでしょう。

新型コロナウイルスでの物理的距離はどれくらいが適正か

『重要思考』とは、ダイジなところで差があるか、と考える方法です。それだけです。

 でもたいてい、ヒトは「差がある」ところしか考えません。不思議なことに「ダイジかどうか」がいつも抜けているのです。ダイジでないならどうでもいいのに……。

 新型コロナウイルスの感染予防対象として、2020年の春頃から「人と人との間に十分な物理的距離を取ろう」という対策(ソーシャル・ディスタンス)が拡がり始めました。これ自体は「直接の接触を避ける(握手やハグやキス)」レベルから、行列のときの前後の距離まで、様々な内容のものが入っていますが、後者のことで大打撃を受けたのが劇場や映画館、ライブハウスなどでした。いつもは150人詰め込むライブハウスで、2メートルの距離を互いにとったら定員はなんと7人! もちろんこれでは収益的にはどうしようもなく、様々な声が上がりました。「2メートルは空けすぎ」「アメリカでは6フィート、1.8メートルだ」「ドイツだと1.5メートルって言ってるぞ」