「朝メール」「カエル会議」は、
テレワークの生産性を上げるためにも有効

 テレワーク環境で働く従業員は、仕事にメリハリが付かず、際限なく仕事をしてしまうとか、自分の仕事を誰も見ていないことに起因する孤独感、ロイヤリティー低下、サボっていると思われるのではという不安などの問題を抱えがちだ。

 小室氏は、(1)仕事を見える化、共有化し、遠隔パス回しがスムーズにできるか、(2)不安や孤独から解放され、安心して仕事に集中できるか、(3)時間を自律的に組み立てられるか。この3点がテレワークの生産性を決めると話し、こうした課題にも「朝メール」や「カエル会議」が有効だという。

 例えば時間を自律的に組み立てるという点については、朝メールで仕事をチームメンバー同士が見える化し、パス回しがスムーズになる。不安や孤独感の解消には、朝メール、夜メールに、その日の調子や、業務に向けた意気込みなどをコメントで書き込み、コメントを返してもらうことで、あたかも職場で立ち話をしているような一体感を持ち、不安を解消していける……といった具合だ。

少子高齢化が進む日本が、再び経済成長するための2つの条件とはテレワークでも「チーム」で働き、求心力を高めるには、チームの仲間のアドバイスや承認が重要。今後働く時間が多様化する中、バーチャルでのチーム力はさらに必須になるはずだ(出典:ワーク・ライフバランス)
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「テレワークの本格化によって仕事がやりにくくなった」という管理職に向けて、小室氏の指摘は手厳しい。「それはテレワークによって起きたのではなく、テレワークによって、もともとのマネジメントの課題が顕在化しただけではないでしょうか。指示命令型(ティーチング)のマネジメントから、傾聴承認型(コーチング)で心理的安全性を高めるマネジメントに切り替えることを薦めます」と話を締めて、講演を終了した。