ついに明かされる全8章

 第1章では、なぜ売上より利益が大切かを説明する。

 新型コロナ禍で事業継続の難しさを多くの人が実感しているだろう。当社も大きなダメージを受けた。

 当社はそうした事態に備え、「無収入寿命」をのばす戦略を取ってきた。

 無収入寿命とは、売上ゼロになっても経営の現状維持ができる期間を指す。減給などのコスト削減なしで全従業員の雇用を維持し、家賃を支払い、その間に会社を立て直す。

 ここでは、売上ゼロでも生き残れる「無収入寿命」のつかみ方を紹介する。

 第2章では、売上OSが利益OSに変わる! 売上最小化、利益最大化の法則に触れる。

 売上はコストをかければ簡単に上がる。

 100億円の売上を上げたいなら大量に広告を打てばいい。

 しかし、変化の激しい時代、先行投資期に売上が上がっても、回収期には市場が変わって利益が回収できないことはよくある。

 だからこそ売上と利益をセットで管理する経営方式を採用しなくてはならない。

 よって、今回のようなコロナ禍にも負けない盤石経営のために、「売上を下げることで利益を増やす」という経営手法も紹介する。

 さらに、会社を利益体質にするには、社員が利益志向でなくてはならない。

 そこで私自身が社員に行っている研修「何のために利益を出すのか」を実況中継する。

 第3章では、会社の弱点が一発でわかる「5段階利益管理」について解説する。

 私のセミナーで5段階利益管理を知った人は、

利益に貢献している商品、していない商品がはっきりした
事業部ごとに5段階利益管理をやった結果、どの事業部がうまくいっているかがわかった
それまでコストをひとまとめに考えていたので、目からウロコだった

 と興奮ぎみに語ってくれる。

 コストには、利益に貢献するコストと貢献しないコストがある。

 隠れたコストをあぶり出し、無駄なコストを低減させ、利益率を高くしていく。

 第4章では、小さい市場で圧勝する商品戦略を紹介する。

 年々、高品質商品でロングセラーを狙うビジネスモデルが主流になってきているが、当社の定期購入(サブスクリプション)による売上比率は約7割

 これが利益を生み出す源泉になっている。

 第5章では、利益率29%を実現する販売戦略に触れる。

 販促費をかければ売上は上がる。だが、かけすぎると利益は減る。

 そこで「CPO(Cost Per Order:一件受注するのにかかるコスト)をマネジメントする方法」をお伝えする。

 さらに、売上を半減させ、利益を1.5倍、利益率を3倍にする方法を解説する。

 第6章では、ファンの心をつかんで離さない「演歌の戦略」(顧客戦略)を紹介する。

「モノが売れる」と「モノが売れ続ける」とは違う。

 商品に興味のある人だけにアプローチし、一度買っていただいたお客様とは一生おつき合いする「演歌の戦略」を初めて公開する。

 第7章では、未経験者でも利益を上げ続ける人材戦略に触れる。

 未経験者や新入社員を即戦力化する業務体制のつくり方、組織全体にコスト意識が芽生える「たった一つの方法」について紹介する。

 これまで多くの人から受けた質問、

「なぜ、そんな小さな会社が時価総額1000億円もあるのか」
「なぜ、若い社員がイキイキと働いているのか」

 などにも、きっちり答えるつもりだ。

 第8章(終章)では、売上1000億・利益300億円を実現する戦略を紹介する。

 私は社長業とマーケティング責任者を兼務している。経営直結型のマーケティングを行い、マーケティング数字はすべて経営数字に直結する。

 圧倒的なデータ量、各ウェブ広告メディアのアルゴリズム、ユーザー状況を徹底分析することで、商品開発と効果的な広告宣伝が両輪となり、これまで高収益を上げてきた。

 本書は私にとって初の著書となる。

 この本を読んだ人が1円でも多く利益を増やし、1円でも多く納税することでこの国の発展につながることを願って書いた。そのために、当社が高収益を上げる秘密を、出し惜しみすることなく公開することを、ここに約束する。