こちらの立場が上になった時は、自虐ネタでかわす

 注意しなければならないのは、こちらが優位に立ってしまったときだ。何か成果を出したとき、昇進が決まったとき、上司から褒められたときなど、あからさまにこちらが優位に立ってしまったときが要注意となる。このタイプの比較意識が強まり、いじけたり攻撃的になったりしやすい。

 そんなときは、気まずくならないように自虐ネタでちゃかすことにしている、という人がいる。それはとても賢いかわし方だ。自虐ネタによって、向こうはこちらをバカにするかのように笑うことができ、「勝ち負け」の図式において、頭の中でこちらを引きずりおろせる。

 何かと相手に相談したり、頼ったりすることで自分の身を守っているという人もいる。これは、非常に有効なかわし方と言える。こちらが嘆いたり、自嘲気味なことを言ったりしながら相談することで、向こうは自分の優位を実感でき、気持ちの上で大いに余裕ができる。その結果、攻撃的になるどころか、こちらに同情し上から目線でアドバイスしてくれたり、結構親切にしてくれたりするものだ。

 ドジ話を披露したり、相談に乗ってもらったりすることで、相手の自尊心をくすぐるように導く。それが、ややこしい対抗心から身を守るコツと言える。