もっとも結婚に切実な若い人たちの声は?

 そのような意味では、マスコミの世論調査などよりも、「結婚」ということをより切実に考えている若い人たちを対象とした、婚活サービスなどの調査の方が実はよほど「民意」を反映させている。

 例えば、昨年12月、婚活支援サービス「パートナーエージェント」が20~39歳の未婚男女2400人を対象にした調査では、「選択的夫婦別姓制度」に賛成したのは54.6%だった。

 しかし、一方で実際に「別姓にしたい」と回答したのは20.6%で、「同姓にしたい」は38.6%、女性に限定すると、42.6%が「同姓にしたい」と回答しており、「結婚して夫婦で同じ名字になることに憧れがありますか?」という質問には、「憧れがない」の23.7%の2倍にあたる49.1%の女性が、「憧れがある」と回答した。

 内閣府の面接調査同様、「夫婦同姓」にポジティブな人が大多数を占めているということになる。

 繰り返しになるが、筆者はどういう形にしろ1日も早く夫婦別姓を認めるべきだという考え方だ。

 女性経営者の方などは、登記の問題などがあるのでどうしても「戸籍上の姓」が強制される。また、アカデミックの世界も頭コチコチの役所ルールに則るので、「戸籍上の姓」を強要されてキャリアが白紙に戻されることもあるという。こういう不利益を被っている女性たちを救済しないで、女性活躍もへったくれもない。

 ただ、そういう考え方だからといって、マスコミが事実をねじ曲げて、「大多数の国民は選択的夫婦別姓を望んでいます」みたいな世論誘導をすることには違和感しかない。

 マスコミが「われわれの言っていることは正しいので、多少の嘘をついても問題なし」みたいな独善的な振る舞いをして暴走をすると、戦時中の日本のようにロクなことにはならないからだ。