大企業では「チーフ・エクスペリエンス・オフィサー(CXO)」という肩書きが一般的になりつつあるが、もしこの肩書を持つ役員が意図した通りの仕事ができれば、彼らはその組織にとって最初で最後の「CXO」となるだろう。なぜなら、CXOの意図は顧客満足の継続を重視する姿勢を社内のすべての階層や部門に浸透させることであり、そうなれば実質的に自身の仕事はなくなるからだ米家電販売大手ベスト・バイのエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)兼チーフ・カスタマー・オフィサーであるアリソン・ピーターソン氏は、「私の目標は、社員がカスタマー対応に熱心になり、それを別個に行う担当者やチームが存在しなくてもよい環境をつくることだ」と述べる。同氏はこれまで同社のチーフ・カスタマー/マーケティング・オフィサーを務めていたが、2020年5月にカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)にさらに明確に焦点を絞ったEVPの役割を担うことになった。
顧客重視の役職「CXO」 いつか不要に?
社内全体に顧客重視の姿勢が浸透すれば、役職は消えるのか
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