たまらず、以前風俗で働いていたくるみさんの妹に頼んで、お店を紹介してもらったそうです。

 くるみさんのストレスや二重人格を知っていた妹は、ドライバーとして見守ることになったそうです。

なぜ警察沙汰に?
調査の行方は

 その後、お酒を飲んだりクラブに行ったり、ストレスを発散するようになってから、「長州のかずお」が出てくることはなくなったのですが、デリバリーヘルスの仕事で過度なストレスがかかった時に、「長州のかずお」が出てきて暴れるのではと、チャンスを待っていたとのことでした。

 妹と警官が話している内容を聞くと、男性客はくるみさんに本番行為の強要をしたようで、怒った「長州のかずお」はハイヒールで男性をめったうちにしたそうです。過剰防衛での逮捕ということでした。

 そのことも報告すると、上野さんは「暴力の証拠として凶器のハイヒールを撮影できないか?」と、調査の趣旨が変わり、また事件犯罪に関わる調査はこれ以上できないと、この案件はキルとしました。

「浮気調査だけではない調査現場」「第三者には分からない夫婦の光と影」

 点と点が線になる探偵トークでした。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。