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このところどんな職場でもよく話題になるのが、過度に傷つきやすく、すぐに落ち込む人物だ。周囲の人たちは何か言う際に非常に気を使わねばならず、腫れ物に触るような扱いになってしまうため、多くの管理職や同僚が頭を悩ませている。こうした人物に対してどう対応したらよいのだろうか。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

ちょっと注意するだけで過剰に反応

 ちょっと注意するだけでひどく落ち込み、ショックのあまりぼうぜんとしてしまい、しばらく仕事が手につかない感じになる。極端なケースでは泣きだす。「泣かれて困った」という管理職の嘆きをよく耳にする。

 このタイプは、落ち込みやすいばかりでなく、いったん落ち込むとなかなか立ち直れない。そのため、ひどい場合は「体調が悪い」などといってそのまま早退してしまい、翌日から週末まで休むこともある。

 しばらく一緒にいれば、傷つきやすく落ち込みやすいタイプだと分かるため、きつく叱るようなことはしないが、同じミスばかりされても困るので、注意しないわけにはいかない。そこで、やんわりと注意するのだが、どんなに気を使いながら優しく注意しても、パワハラを受けたかのように過剰な反応を示す。

 これでは事情を知らない他部署の人たちから「パワハラをしているのではないか」などと疑われかねない。そう思うとうっかり注意もできず、腫れ物に触るような扱いになってしまう。でも、それでは戦力になるように鍛えることができない。こうした管理職の嘆きを、どの職場でも耳にする。