2ちゃんねるでも努力はしなかった

Tomy: 2ちゃんねるをつくったときは、どういうことを意図されていましたか?

ひろゆき:やっぱりユーザーがどう書くのかを見たいという観察意欲が強かったです。

Tomy:2ちゃんねるは、どうやってマネタイズしようと考えていたんでしょうか?

ひろゆき:2ちゃんねるをつくった当時は、インターネット上でお金儲けをするのが不可能だったんです。

基本赤字だったので、なんとかしなきゃいけないねというので、広告をつけたり、有料会員サービスをつくったり、本を出したりしてなんとか回していった感じです。

Tomy:どちらかというと、趣味に近かったんですね。

ひろゆき:趣味ですね。趣味にお金がかかるから、小銭が入って回るようになったらいいなと思っているうちに、インターネットユーザーが増えて、結果としてお金を生むものになってしまったという感じです。

Tomy:その当時は、努力したという認識はありましたか。

ひろゆき:何をもって努力したというのか、人によって違うと思うんですけど、2ちゃんねるが流行ってた時代、僕は週3くらいのペースで裁判所に通っていました。削除依頼があったら裁判所に訴えて、裁判所の判決に従うというのを繰り返していたんです。

書き込みを削除するか残すかというのは、民間ではなくて法律で決めるべきだと思っていましたし、日本の法律は何かもめごとがあったときに裁判所で解決するというルールでしたから。

周囲の人には週3で裁判所に行くのが努力しているように見えていたかもしれないですけど、僕は裁判官や弁護士さんと話すのが好きなんですよね。だから、自分の中では努力じゃないんです。

Tomy:裁判官と話すのって、何が楽しいんですか?

ひろゆき:裁判では法律に基づいてどんな裁判官でも同じような判断になるように合理的な話をします。だけど、裁判官も人間なので、雑談をするとその裁判官の個性や考え方が垣間見えたりする。そこが面白いんです。

なかには途中で失踪する裁判官もいたんですよ。次の期日が決まらないまますっかり忘れていたら、あるとき突然連絡が来て、「前の人がいなくなりまして……」と言われたり。

Tomy:僕の場合、裁判がちゃんと終わらないとすごくモヤモヤしてしまうと思うんですけど、ひろゆきさんはそういうことはないですか?

ひろゆき:他に裁判はたくさんあったし、そもそも僕は記憶力が悪いんで忘れちゃうんですよ。

Tomy:忘れる方法があれば教えてほしいです。

ひろゆき:忙しくなればいいんじゃないですか。すごく暇で家にいたら、「換気扇についた油を落とさないとな」と思ったりする。でも、忙しくなって優先順位をつけて動かざるを得なくなると、換気扇とか配管周りの掃除はどんどん後回しになっていきます。そうやって、単純にやることが増えれば、どんどん記憶の枠からこぼれ落ちていくということです。

Tomy:ひろゆきさんみたいにいろんなことをやっていたら、確かに忘れても不思議じゃないですよね。

ひろゆき:僕は記憶力がないだけで、たいしてたくさんのことをやってないですよ。最近はゴロゴロして、ゲームをして、映画を見ているだけ。だから、やっぱり努力なんてしていないんです。