なぜオートミールがダイエットに適しているのか

 オートミールは、玄米や全粒粉と同じように精白されていない食材で、GI値が低い。GIとはグライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指数のことだ。つまり、GI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇し、反対にGI値が低い食材を食べると血糖値は緩やかに上昇する。

 血糖値が上がると、インスリンという血糖を下げるホルモンが分泌される。インスリンは「血糖値を下げる」という働きの他に「脂肪を作る」「脂肪の分解を抑制する」という働きがある。高GI食品を摂取すると、急上昇した血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されてしまい、肥満の原因にもなる。反対に低GI値の食品を摂取すると血糖値が緩やかに上昇し、インスリンの分泌が抑えられるため、太りにくくなるのだ。

 糖質制限ダイエットも大流行だが、普段白米やパンを主食に食べている人はオートミールを代用することで糖質を減らすことができる。例えばハンバーグのパン粉の代わりに入れたり、パンケーキにオートミールを混ぜることで小麦粉の量を減らしたりできるのだ。オートミールそのものにうま味があり、味に深みが出るので出来上がった料理もおいしくなる。

 さらに、オートミールを取ることは「腸活」にもなる。腸活とは腸内環境改善のために良いとされる食材を積極的に取ることだ。先ほど食物繊維が豊富とお伝えしたが、オートミールには水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれている。水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサになって善玉菌を増やす働きや血糖値の急な上昇を抑える働きがある。不溶性食物繊維は便のかさを増やしながら、有害物質を吸着して排出するので便秘改善に効果的だ。

 ダイエットに効果が期待できるとされている成分としてタンパク質と鉄分がある。どちらも働きは違えど、不足すると代謝が落ちることもあるようだ。また、代謝を上げるのに効果が期待できるとされている成分としてビタミン、ミネラルがあり、これらすべてをバランス良く含んでいるオートミールはダイエットに最適な食品といえる。

 グラノーラのようにスイーツ感覚にも、塩味のおかゆや白米の代わりにもなるオートミールは料理のバリエーションが豊富なのも魅力だ。ランチやディナーにもおすすめのアレンジレシピを紹介する。