バルミューダ・ヤーマン、高利益率「ファブレス」2社の会計上の違いとは家電メーカー3社の決算書を比較してみよう Photo:PIXTA

今回は特色ある家電メーカー3社の決算書を比較してみたい。群雄割拠の家電業界で、着実に利益を上げ続けるためのポイントはどんなところにあるのだろうか。3社の財務指標を比較するとそのヒントが見えてきた。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)

独自の強みを磨いた
家電メーカー3社のビジネスモデルとは?

 今回は、家電メーカーの3社、バルミューダ、ヤーマン、ツインバード工業の3社を取り上げて決算書を比較してみよう。

 バルミューダは高級家電を手掛けるメーカーで、2020年12月に東証マザーズに上場したばかりの会社だ。2021年5月には、スマートフォン事業に参入することを表明し、注目を集めた。ヤーマンは、主に美顔器などの美容家電の開発、販売を行っている。ツインバード工業は、一般に「ジェネリック家電」と呼ばれる低価格の家電製品の製造、販売を手掛けていることで知られている。

 大手家電メーカーとはまた違った立ち位置で独自の強みを磨いてきた3社だが、決算書にはどのような違いが表れているのだろうか。P/L、B/Sを比較すると各社のビジネスモデルの特徴が分かる。