バイデン大統領Photo:Alex Wong/gettyimages

「大きな政府」での改革実現に向け、米国のバイデン政権が勝負の夏を迎えようとしている。

 経済の急回復でコロナ禍からの出口が見えてくるにつれて、経済再開、コロナ脱却でまとまってきた世論も関心が移り、議会でも民主、共和党両党の対決色が強まり始めている。

 バイデン政権は超党派の広がりを持つ「対中強硬論」を前面に改革の求心力として期待をかける。

「中国カード」はどこまで切り札になるか。

インフラ投資法案を待つ難路
「超党派合意」に不満くすぶる

 6月24日にバイデン政権は、公約の中核である8年間で総額1.2兆ドルのインフラ投資法案について、一部の共和党議員を交えた「超党派合意」を発表した。

 政権が打ち出していた2兆ドル規模のインフラ投資計画(「米国雇用計画」)のなかで、共和党ののみやすい投資案を取り出し、議会での法案成立を目指すものだ。