2022年度の予算教書
雇用・家族計画など盛り込む
5月28日に、米国のバイデン政権が2022年度(2021年10月~22年9月)の予算教書を発表した。
目玉政策の「米国雇用プラン」「米国家族プラン」などが盛り込まれ、コロナ禍後の米国が「大きな政府」へと変容することや、雇用と家族プランによる財政赤字が10年間で約8000億ドルと見込まれていることなどが明らかになった。
すでに主要な提案については議会での調整が進んでいるが、一方でバイデン財政の全体像は見えない点もある。予算教書から、何を読み取るべきなのか。
全体像より個別策が先行
「木を見て森を見ず」のリスク
米国の予算教書は、10月から始まる翌年度の財政運営に関し、歳出や歳入、財政赤字の見通しなどを政権が示す青写真だ。
大統領は予算案の提出権がないため、教書などで示して議会に予算の立案や関連法の立法を促すのだが、今回の第一の視点は、予算教書が提案されたタイミングだ。通常より大幅に遅れた。
予算教書からは、個別の政策論を先行させるバイデン政権の特徴が読み取れる。