お金の面でいえば、尊重しあうご夫婦は「収入がいくらあるのか知らない」「給料日を知らない」「いくらためているのか分からない」「仕事の内容を知らない」ということから、家庭の中にいくらのお金があり、将来に備えることができているのかどうかすら分からない状態になりがち。

 思いやるご夫婦は、収入状況などは把握していても、「欲しいって言っているから」「これがあったほうが楽になるでしょ?」と家計に残るお金のことを考えずに散財しがち。気が付いたらお金がなく、「お金をためたいが、無駄といえる支出もない」と言い出すのです。

 夫婦の良い形は、行き過ぎないように気を付けたいものです。

夫は家関連の出費、妻は生活費&教育費と割り切っている夫婦

 先日ご相談に来られたMさんご夫婦は、典型的な尊重タイプ。ご夫婦ともにバリバリと働いており、生活費の分担分を負担してくれれば、お金について干渉しないというルール。夫は46歳、妻は44歳。他に高校生の息子さんが2人います。お互いに勤める会社の良いポジションにつき、責任のある仕事をしているようです。

 相談の内容は、上のお子さんの大学の学費負担について。今までは固定費など毎月口座引き落としで支払う「家」に関するものは夫、日々の生活費や教育費は妻という分け方をしてきました。子どもが大きくなるにつれ、食費や塾代、洋服代などがかさむようになり、妻の手取り収入は32万円ほどあるのに赤字の状態。貯金も少しずつ減っています。