「どこでも、いつでも働く」ことが
創造性と生産性を上げる近道

 今回は、ワーケーションにまつわる二つの代表的な誤解について検証しました。ワーケーションには、私たちの仕事のパフォーマンスを高める大きな可能性が秘められています。一方、企業がワーケーションを導入する場合、在宅ワークを導入するときよりもさらに大きなハードルをクリアしなくてはならないことも事実でしょう。

 すなわちワーケーションの導入にあたっては、先述したようにビジネスプロセスをWork from Anywhere at Anytimeを可能にする形で新たに制度設計しなくてはなりません。そこには人事評価や労務管理など、ビジネスとは直接的な関わりの薄いプロセスまでもが含まれます。また人が物理的につながる機会が減ることによる心理的なストレスを、どのようにサポートしていくかも重要になってくるでしょう。しかしこれらの課題を乗り越えてでも、「どこでも、いつでも働く」ことができる新しいワークスタイルを企業が導入するだけの価値はあると私は考えています。

 企業、そして私たちがワーケーションを自分たちのワークスタイルに取り入れることのメリットや課題についてもっと深く知りたいと思われた方は、先般、KADOKAWAより上梓させていただきました、拙著『ワーケーションの教科書 創造性と生産性を最大化する「新しい働き方」』をぜひ読んでいただければと思います。同書を皆様の企業や職場で新しい働き方を導入する際のディスカッションペーパーとして活用していただければ幸いです。

(Airbnb Japan執行役員 長田英知)