気になる「第1位」は……?

 僕が心理学の学位を取ってもっとも学んだことは、「心を読み取ろうとしないほうがいい」ということです。

 第2位のところで、「優位性があること」を学ぶべきだと語りましたが、それってあくまで「傾向」なんですよね。たとえば、「男性のほうが論理的で、女性のほうが感情的」というデータがあったとしても、目の前に「1人の人間」が現れたときに、そのデータは役に立たないんです。

 どうしたって、「人それぞれ」ですから。データやアンケートである程度の傾向はあったとしても、目の前の人にはあまり適用できません。

 だから、相手の心理を読み取ろうとするのではなく、「直接、聞けばいい」という方法を学びました。

「普通に聞くこと」こそが最強だった

 僕は目の前の相手に対して、単刀直入に、聞きたいことや思ったことを、失礼も承知で聞くようにしています。だって、そうしたほうが早いから。それに対して相手が怒ってきたとしても、謝ればいいだけですからね。

 相手のしぐさや表情を読み取ったり、遠回しな言い方をして探るのって、かなり気をつかいますよね。そういうコミュニケーションしかできない人が、心理学を学んでいるんですよ。それが、第3位でも話したようなことです。

 ということで、3つすべて身も蓋もない結論になりましたが、これが真実だと思います。「ちゃんと聞く」「ちゃんと思ったことを答える」「ちゃんと謝る」という、至極まっとうなことをやったほうがいい。そんな当たり前なことを、僕は心理学を通して学びました。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。