加齢に伴う男性の嫌なニオイの原因とは?

加齢臭

加齢臭G-STOCK FACES / GETTY IMAGES

 40代を過ぎた頃から気になり始めるのが加齢臭です。これは皮脂腺から皮脂が原因となって生じると言っていいでしょう。

 年齢を重ねるごとに、脂肪酸の一種である「ヘキサデセン酸」や、活性酸素によって酸化された脂質「過酸化脂質」などが増えてきます。この「ヘキサデセン酸」自体は無臭ですが、「過酸化脂質」によって酸化が促進されると、脂臭くて青臭い「ノネナール」という成分が生じます。この「ノネナール」が多くなると、汗や皮脂の臭いと混ざって中高年特有の体臭を感じさせるという研究結果が報告されています。

 この「ノネナール」は2001年に資生堂が発見し、現在は資生堂の登録商標となっています。これは「汗をかく、かかない」に関係なく、耳の後ろや首の周り、脇の下をはじめ全身から分泌されるため、しっかりと対策を講じる必要があります。

ミドル脂臭

ミドル脂臭AJR_IMAGES / GETTY IMAGES

 2013年にマンダムが発表した、「ジアセチル」を原因成分とする「ミドル脂臭」と呼ばれるニオイがあります。これは後頭部から首にかけて、“古くなった油のような嫌なニオイ”と表現され、「30代半ば~50代半ばで、最も強くなる」と言われています。

 このミドル脂臭が発生する原因としては、次のように考えられています。

 まず原因物質である「ジアセチル」は、汗の中に含まれている乳酸が皮膚の常在細菌に代謝・分解されることで発生。そして「ジアセチル」が、「皮脂臭(中鎖脂肪酸)と混ざることによって発生する」と考えられています。

※なお、今回は取り扱いませんが、加齢に伴う男性の嫌なニオイとして、2008年にライオンが発表した「ぺラルゴン酸」を原因とするニオイも確認されています。