京阪電気鉄道(以下、京阪)の特急を中心に運行している座席指定車両、プレミアムカーが好評だ。広義の京都~大阪間は、JR西日本の新快速や阪急電鉄の特急に比べ、時間を要するが、それを逆手にとり、新たな“ゆとり”を生み出した。安くて快適なプレミアムカーの魅力、課題などを探ってみよう。(レイルウェイ・ライター 岸田法眼)
8000系エレガント・サルーンの
改造により2017年に登場
プレミアムカーは8000系エレガント・サルーン6号車の改造により、2017年8月20日より営業運転を開始した。
座席は1人掛けと2人掛けのリクライニングシートで、ゆとりを重視、強調すべく、シートピッチは1020ミリ、着座幅は460ミリ、背もたれの高さは770ミリ。背面にテーブル、カップホルダー、ひじかけに充電用のコンセントなどを用意した。さらに車椅子スペース、大型荷物置き場の設置、空気清浄機にパナソニックのnanoeを採り入れた。
車内では専属アテンダントが乗客をもてなし、数量限定ながらブランケットや携帯電話充電器の貸し出しサービスも行うなど、贅(ぜい)を尽くす。これだけのボリュームで、料金は区間によって400円もしくは500円なのだから安い。
参考までに、JR東日本首都圏の普通列車用グリーン車の事前料金は、50キロまでが平日780円、土休580円、50キロ以上が平日1000円、土休800円である(車内料金は260円増し)。