投資家が望むべきは
金より銅といえる理由

 この2回のオリンピックを除外し、修正したデータをもとに、あらためてメダルと相場の見解を見ていこう。

 この3つのグラフから、銅メダルと半年リターンのグラフの点線が最も右上がりなのがわかる。つまり、銅メダルの数が多いほど、半年リターンは高くなるということだ。

 もちろんメダルの数だけで半年リターンを予想できるわけではない。そこで3つのグラフを作成するにあたり、メダル個数Xと半年リターンYの関係式とそのメダル数だけで予想できる半年リターンの精度(R2決定係数という)も計算した。この数字(決定係数)が大きいほど、メダル数と相場には相関関係が高いことを示している。

 金銀銅の各メダル1個あたりの半年リターンと法定係数は下記の通りだ。

 金と銀の法定係数は0.02、0.05と、あまり大きくないため、半年リターンを説明する要素として、メダルの数とは大きな関係はないということはいえる。せいぜい金メダルで2%、銀メダルで5%程度の話で検証する価値のないレベルだ。

 だが、銅だけは違う。決定係数0.2ということは20%だ。目的関数である日経平均との関係を、20%も説明できているということなのだ。

 つまり、金と銀は相場とはそれほど関係ない。しかし、銅は相場と関係がある。1個あたり半年後に1.6%上昇させる力があるということは、あくまで計算上の話にすぎないが、10個獲得したら16%上昇、20個獲得したら32%上昇する。そう考えると銅メダルが最もありがたい。

「投資家は金より銅を望むべし」