ある東電OBは、電力業界でまことしやかにささやかれる小売り事業のことを指すとみた。
小売り事業を担う東京電力エナジーパートナー(EP)は、電力小売り全面自由化で顧客流出が止まらずに業績不振が続いている。東電EPの2021年3月期の経常利益は、前年比9割減の64億円にとどまった。東電EPが真っ先に撤退、縮小の対象になるのは、時間の問題とみていた。
ところが、である。東電グループだけでなく、エネルギー業界を驚愕させる仰天構想が判明した。
東電HDは東電EPに加えて、再生可能エネルギー事業を担う東電リニューアブルパワー(RP)を一部売却する構想を水面下で議論していることが、ダイヤモンド編集部の取材で分かったのだ。
東電RPは、脱炭素ブームで最も注目される東電グループの“虎の子事業”である。21年3月期決算では、東電RPは東電EPの7倍を上回る481億円の経常利益をたたき出している。
ではいったいなぜ、東電グループの虎の子事業である東電RPを差し出す必要があるのだろうか。
「ダイヤモンド・オンライン」の特集『東京電力 解体』では、東電HDが東電RPを一部売却する構想が挙がる背景や、東電RPの売却候補先、その売却スキームについて、『東京電力が虎の子「再エネ事業」を一部売却へ、仰天構想が判明【スクープ完全版】』で詳報している。