ステイホームでの五輪観戦、話題はどうしても誰がメダルを取ったか取れなかったかになりがち……と思いきや、とある世論調査ではメダル獲得の「個数は重視しない」という回答が圧倒的多数であった。メダルを気にせず五輪を応援するための2つの方法を紹介したい。(フリーライター 武藤弘樹)
獲得メダル数を数えることの是非
ある世論調査の結果
ギリギリまで開催が危ぶまれていた東京オリンピックだが、始まってしまえばかなりの盛り上がりを見せた。
世界最高峰の絶技と、それらが勝敗を決するために火花を散らす様子を見守るのがオリンピックやパラリンピックの醍醐味だが、やはり自国の応援には一層力が入る。そしてメダルでも取ろうものなら喜びと興奮は最高潮に達する。
日本人選手がメダルを獲得するかは世間の強い関心事になっているとみえ、誰かがメダルを獲得すると号外が街頭で配られ、テレビやスマートフォンの通知に速報が入る。
しかしYahoo!ニュースで実施中のネットアンケートを見てみたら、興味深い結果が表れている。「日本は金メダルを何個獲得できるか」というお題で、回答数は約27.5万票。そのうちの約67.8%(約18.7万票)が「個数は重視しない」を選択しているのである(8月3日現在)。
「オリンピック憲章」には、「IOCは、国ごとの世界ランキングを作成してはならない」とある。IOCは国別メダルの数ランキングなどを作ってはいけないということであり、これは、「メダルは国のものでなく個々の選手が獲得したもの」という考えに基づくものらしい。
明日でオリンピックは閉幕するものの、その後の報道もしばらくはメダルを取った選手に集中するに違いない。もちろん、メダル獲得はたたえられるべきことだが、ある程度成熟した社会における風潮として「そこだけに注目しなくても良い」という思いがあるのも事実だろう。
ではメダルの数を数えないオリンピック・パラリンピックの楽しみ方や着目点にはどのようなものがあるのか。2つの例を挙げてみたい。