やってはいけない「マグロ選び」(1) 
生マグロを選ぶ

 お得においしいマグロを食べるならやってはいけないことの一つ目は、「生マグロ」を選ぶことです。つまり、このお盆に限っては「冷凍のマグロを選んだほうが得策」なのです。

 お盆前は、魚の値段が上がります。これは、マグロも例外ではありません。ただし、回転ずしでは、その前に良い素材を安価に大量に仕入れておくことで、お値打ち価格で提供できます。この利点を最大限に生かせるのは、仕入れてすぐに売らなければならない生マグロではなく、保管の利く冷凍マグロです。

 また、マグロは、船上で取ってすぐに急速凍結する仕組みも整っているため、保管や解凍さえうまく行えば、取れたてさながらの味が楽しめます。

 さらに、豊洲市場の卸値を見てみると、高級とされる冷凍の本マグロ(クロマグロ〈冷凍〉)の月別平均卸売価格は、2021年に入ってから過去5年平均の1~2割ほど安い状況が5月まで続いていました。これに対し、生鮮のマグロ類はそのときの需給に左右されることもあり、そこまで価格は下がっていません。

 もちろん、生マグロはフワッとした食感もあり絶品ですが、お盆の回転ずしでリーズナブルにおいしいマグロを食べるには、以上のことから「生」とは特に記載されていない冷凍のマグロを選ぶ方が得策といえます。

やってはいけない「マグロ選び」(2)
レギュラーメニューを選ぶ

 続いて、やってはいけないことの二つ目は、レギュラーメニューを選ぶことです。つまり、このお盆に限っては、フェア商品などの「スポットメニュー」を頼むのが吉です。

 先述のマルハニチロの調査では、「回転すし店で定番メニューとフェアメニューのどちらを多く食べるか」について、「定番メニュー」の方が66.0%と多い結果となっていました。しかし、あらかじめ仕入れていた、とっておきのネタは「スポットメニュー」として提供されることが多いのです。

 このようなスポットメニューで扱われやすいのは高級なネタ、つまり「本マグロ(クロマグロ)」や「南マグロ(インドマグロ)」、そして「大とろ」や「中とろ」です。また、先述の各地域の高級飲食店とコラボしたメニューにも、まぐろ関連のネタが出ていることがあります。

「マグロ」関連のすしネタはいわば回転ずしの顔でもあり、各社レギュラーメニューにも力を入れていますが、お盆の回転ずしでは「スポットメニュー」を頼んでみるとよいでしょう。