ITゼネコンの巣窟 デジタル庁予告Photo:PIXTA

9月に、デジタル庁が鳴り物入りで発足する。霞が関省庁のデジタル予算を一手に握る“最強組織”という触れ込みだ。民間人材の登用と役所の縦割り排除により、国民が享受するITサービスの向上と劇的なコスト削減を狙っている。しかし、その実現は容易ではない。日本は世界でも稀有なIT丸投げ大国だ。1990年代以降、官公システムの構築は、NTTデータや御三家(富士通、NEC、日立製作所)らを頂点とする重層下請け構造「ITゼネコン」に依存し続けてきた。デジタル庁は大きな裁量を武器に旧来の商習慣を断ち切る構えだが、すでにITベンダーやコンサルティング会社、他省庁の暗躍は始まっている。特集『ITゼネコンの巣窟 デジタル庁』では、デジタル庁に群がる企業の構図と、IT後進国ニッポンの切実な実態を明らかにする(8月16日(月)から8月22(日)までの全7回連載)。

#1 8月16日(月)配信
「大手ITベンダーは無能」と幹部が豪語も、デジタル庁が結局NTT・富士通に依存の理由

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁#1Photo:JIJI

 新型コロナウイルス対策の給付金を国民に配るシステム不備でも露呈したように、日本政府は「デジタル敗戦」を認めざるを得なくなった。その政府が、起死回生の“最終手段”として立ち上げるのがデジタル庁だ。9月1日に発足するデジタル庁の陣容がダイヤモンド編集部の調べで判明した。官民合わせて500人から成る新チームは、IT後進国からIT先進国へと日本を導くことができるのだろうか。

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#2 8月17日(火)配信
富士通と厚労省、NECと防衛省、NTTと7府省の「IT癒着」にメス!予算7100億円没収の衝撃

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁#2Photo:REUTERS/AFLO

 デジタル庁は、霞が関省庁22組織から召し上げたデジタル予算7100億円を一手に握る“最強組織”になるという触れ込みだ。だが、厚労省のハローワークシステムを受注する富士通、防衛省の通信機器購入費システムを受注するNEC、霞が関府省に全方位で取引を獲得しているNTTグループといった、官民の「癒着構造」が長らく続いてきており、それらの商習慣を断ち切ることは難しい。新参者のデジタル庁が、ITベンダーや霞が関の抵抗勢力を駆逐することはできるのか。

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#3 8月18日(水)配信
「NEC排除発言の真意」を平井卓也初代デジタル相が激白、ITベンダーに猛烈敵意

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁#3Photo by Kazutoshi Sumitomo

 デジタル庁を所管する“初代デジタル相”に就任する予定の平井卓也デジタル改革担当相は、コロナ禍で露呈した日本のIT政策の失敗を「デジタル敗戦」と呼ぶ。2000年に日本型IT社会を目指す「e-Japan戦略」を掲げてから20年超。いまだIT後進国を抜け出せない敗因をどう見ているのか。官僚との定例会議における“NEC排除発言”の真意はどこにあったのか。平井氏を直撃した。

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#4 8月19日(木)配信
NTTは総務省・自衛隊などから官僚25人…ITベンダー「天下り天国」の呆れた実態

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁#4Photo:REUTERS/AFLO

 ダイヤモンド編集部では、政府のITシステム投資を寡占的に受注してきた大手ITベンダーの天下り受け入れ状況を独自に調査した。受け入れ人数が最も多かったのはNTTグループの25人で、ITシステムの受注額においてもトップだった。この官民の癒着構造の断絶できなければ、デジタル庁は“砂上の楼閣”と化してしまうだろう。

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#5 8月20日(金)配信
NTTデータ・NEC・富士通が「ベンダーロックイン破壊」に最後の抵抗!壮絶舞台裏

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁#5Photo:123RF

 政府が進めるデジタル改革の目的の一つは、官公システムのITベンダーヘの「丸投げ依存」をストップすることにある。NTTデータと御三家(NEC、富士通、日立製作所)ら大手ITベンダーが他企業の参入を遮る「ベンダーロックイン」の支配構造の問題は根が深い。今回、年間7000億~8000億円に上る「ITシステム予算」を各府省から奪ったデジタル庁だが、旧来の商習慣を断ち切ることは容易ではない。デジタル庁vs抵抗勢力の壮絶な戦いに迫った。

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#6 8月21日(土)配信
無能官僚が蝕む「IT予算無駄遣い」の実態、マイナンバーに公証制度から免許センターまで

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁#6Photo:PIXTA

 行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)改革の肝は、ただ既存システムを新たに置き換えるのではなく、業務の見直しを伴うトランスフォーメーション(移行)を実現することにある。IT化で不要になる業務には天下り組織が関与していることが多々あり、DX改革の成功には霞が関の既得権益への切り込みは不可欠だ。“居場所”消失の危機にある公務員らによるデジタル庁への抵抗を暴く。

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#7 8月22日(日)配信
都道府県「IT人材・予算」の驚愕格差が初調査で判明、予算はほぼゼロから200億円まで

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁#7Photo:PIXTA

 デジタル庁改革は、霞が関のみならず、47都道府県や1718の市町村を巻き込んでデジタル化を推進することになっている。そこで、ダイヤモンド編集部では47の都道府県に緊急アンケートを実施。「IT人材・IT予算」の多寡で、どの都道府県がデジタル勝者・敗者となるのかを炙り出した。また、国が掲げる「システムの標準・共有化」構想は、地方の自治体に思わぬ負担をかけることになりそうだ。

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番外編 9月2日(木)配信
「大手ITベンダーありきじゃない! 官公システムはベンチャーでも受注できる」IT精通議員が断言

ITゼネコンの巣窟 デジタル庁_番外編Photo by Hirobumi Senbongi

 ワクチン担当大臣補佐官として新型コロナウイルスのワクチン接種状況を記録するシステムの開発を担当するなど、政府のIT投資に詳しい小林史明衆議院議員にデジタル庁の課題を聞いた。

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Key Visual by Kaoru Kurata

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