部下との信頼関係を強くする「上手な叱り方」
――たとえば、お客様を呼ぶために、新しい対策を打ったりしているけど、なかなか結果に繋がらないんです、という悩みを相談されたとしたら、どうアドバイスしますか?
藤﨑:まずはやっぱりちゃんと話を聞くようにしています。「売上が落ちた」といっても、全体が落ちているのか。それともその店舗だけが落ちているのかによっても、対策は異なる。もし全体が落ちているのであれば、その店舗の問題というよりも、我々経営陣の戦略を見直す必要があるのかもしれません。
もし、その店舗だけが落ちているのであれば、「一緒に考える」ようにしています。やっぱり店舗で日々のルーティンをこなしているだけだと見えてこない部分もたくさんありますから、原因は何なのか、一緒に分析して考える。
――なるほど。「結果が出ていないのはあなたの責任なんだから自分で考えてなんとかしなさい」という感じではなく、「一緒に考えよう」というのがポイントなんですね。
藤﨑:もちろん、その店長にも「考えて」とは言いますし、何かその店舗に問題点があれば指摘します。ただ、指摘するときの「伝え方」はすごく気をつけていますね。
たとえばトイレの清掃が行き届いていないと感じたときに「掃除は時間ごとにきちんと行い、しっかりチェックしてください」と上から強く言うのではなく、「床に小さなゴミが落ちているのが気になりました。忙しいと思いますが、定時の清掃とチェックはしっかり行ってくださいね」と丁寧に問題点を伝えながら指摘します。
「伝え方」によって、受け取る側の仕事に対する熱意も変わってきます。言葉ひとつで信頼関係が生まれることもあれば、とたんに崩れてしまうこともある。仕事において、信頼関係はすべての土台となります。
――ほんの少しのニュアンスで、印象がガラリと変わりますよね。
藤﨑:つねに自分と相対する人の気持ちを思いながら、コミュニケーションを取ることが重要だなと思って。全社的にそういう空気づくりができるよう、心配りはしているつもりです。
